きいちろ♪復活ライブレポート! by S&Lミュージック


きいちろ♪約3年ぶりに活動再開!参加型のライブイベントを横浜で開催!

きいちろ♪にとって、約3年ぶりの音楽活動となるライブイベント『きいちろ♪復活!馬車道わいわいライブ♪ ~あなたのステージとライブがドッキング~ Special Guest 山本 さくら』が、2016年8月28日(日)、横浜市内の馬車道駅に程近い「フォーク酒場 マークII」で開催された。前回のライブは2013年、1stアルバム『空高く天高く〜一歩ずつ一歩ずつ〜の発売直後にワンマンライブとして行われているが、その後、約三年間の充電期間を経て、満を持しての“復活!”ライブイベントとなった。

今回のライブイベントは、前回のバンド形式のレコ発ライブとステージ構成を一変し、きいちろ♪本来のギター弾き語りスタイルを基本とし、スペシャルゲストに実力派ピアノ弾き語り系シンガーソングライターの山本さくらを迎えるとともに、イベント名称に“馬車道わいわいライブ♪ ~あなたのステージとライブがドッキング~”と添えているように、事前に募集したお客様にも気軽に歌ってもらえるコーナーを設け、この空間に集う全ての人が、純粋に歌や演奏を気軽にわいわい楽しめる、彼自身の活動の原点である“フォーク居酒屋”のスタイルを融合させたものだ。

そこで、会場は馬車道の「フォーク酒場 マークII」が選ばれた。横浜という土地柄か、若しくは当店のマスターの気さくな明るい人柄によるものなのか、小規模ながら明るくオープンな雰囲気の店であり、お客様の要望に応じてマスターによるギター伴奏サポートも可能で、今回のお客様参加型のライブイベントに最適な会場といえるだろう。


ライブイベントは、14時15分に開演し、第1部は、きいちろ♪の原点、ギター一本弾き語りによるオープニングである。復活ライブの狼煙を上げるべく口火を切ったナンバーは、1stアルバムからシングルカットされた、真夏のビーチソング『灼熱アタック!』。数多いオリジナル楽曲の中でも、指折りの明るいノリノリのナンバーであるが、ブランクを感じさせないパワフルな歌声を力強いギターストロークに乗せて、冒頭から観客を巻き込んでいく。軽妙なMCを交えつつ、2曲目は、きいちろ♪快進撃のきっかけとなった『SMILE MAGIC』。この曲でも、ひょっとしてマイクがいらないのではないか…と思わせる圧倒的な声量で、どこか懐かしさを感じさせるポップなメロディを歌い上げた。そして、ラストは、出身地の姫路を舞台にした大人のラブソング『城下にて』。一転して、しっとりとした静かなバラードで第1部を締めた。


第2部は、“フォーク酒場モード”へ移行し、事前にステージで歌うことを申し込んだ2名がギターによる弾き語りを2曲ずつ披露した。まずは、トップバッターのOさん、ハードルを下げて皆さんに勇気を!などと謙遜しつつ、奥田民生の「息子」など2曲を卒なく弾き語り。2番目に登場したMさんは、元々ギター弾き語りの経験者だが、最近はほとんど演奏していないとのことで、事前申し込みではマスターによるギター伴奏サポートで歌う予定としていた。ところが、実際にイベント現場に足を踏み入れたことで、彼の心に何らかの変化がもたらされたのか、2曲ともその場で自らの弾き語りに変更し、しかも2曲目はオリジナルの楽曲を披露された。これはまさしく、きいちろ♪が今回のイベントで企図し志向したある種の化学反応が起きた瞬間であり、Mさんにとっても素晴らしい復活ライブとなったのではないだろうか。


第3部は、スペシャルゲスト”オヤジのココロを鷲掴み!シルキーボイス♪”山本さくらの登場である。できたてほやほやのニューアルバム「FLOWERS」に収録されたオリジナル曲やカバー曲を織り交ぜたピアノ弾き語りによる魅惑のソロライブであった。”オヤジのココロを鷲掴み!~“のキャッチコピーは、今回のイベントに際し、きいちろ♪が作ったものであるが、彼女の少しハスキーで切なくもありながら温かく、繊細でありながらも安定感のある歌声に初めて触れた観客のオヤジ達は本当にメロメロになった。イベント終了後に山本さくら本人によるCD販売が行われたのだが、手持ち分が全て売り切れ、2ショットで記念撮影する方が続出したのだった。

 《山本さくらライブ・セットリスト》

 1. 少年時代(井上陽水・カバー)

 2. ラベンダーの風(オリジナル)

 3. 雨上がりの約束(オリジナル)

 4. 時代(中島みゆき・カバー)

 5. Silver Moon(オリジナル)

 6. Forever(オリジナル)

 7. ごめんね(高橋真梨子・カバー)


第4部は、再び“フォーク酒場モード”へ移行し、先ず、事前エントリーした1組目のSさんにより、斉藤和義の「攻めていこーぜ!」など2曲が披露された。Sさんは、近く自身初の本格ライブを控えており、その前哨戦とのことであった。そして、第4部の締めとして、マークIIのけんマスターとみいさんご夫妻ユニットにより、フォーク酒場における“模範演技”のごとくイルカの「サラダの国から来た娘」とチェリッシュの「若草の髪かざり」が演奏され、客席は大いに盛り上がった。


第5部は、いよいよ今回のトリを飾るメインライブ。きいちろ♪のアコースティックギターと山本さくらのキーボードのセッションにより、きいちろ♪CDアルバム収録曲よりバラエティー豊かな3曲が披露された。1曲目は、代表曲の筆頭『ウルトラ・レディ』。今回のライブに際し、実はこの二人でリハーサルは一切していない完全ぶっつけ本番状態なのだが、山本さくらはキーボードに加えて、コーラスによるハーモニーも追加した。(これぞウルトラ・レディ?!)2曲目は、きいちろ♪’sロックの代表曲『裏路地の灯火』。この曲はギター一本による弾き語りか、アルバム収録音源のようにバンド形式で演奏されることが多いが、山本さくらのキーボードとの組み合わせにより、“裏路地 第三章”とも言えるような、ロックでありながらも都会的でハイセンスな斬新なサウンドとなっている。この演奏は、きいちろ♪公式サイトのトップページにUPされているので、ぜひ聴いてみてほしい。そして、本日最後、大トリは、これ。アルバムのタイトル曲『空高く天高く』。「何があっても、どんなに苦しくても、一歩ずつ一歩ずつ・・。」との思いが込められた人生の応援歌。そう、ほかの誰でもない、きいちろ♪自身が、この曲で復活の大きな第一歩を踏み出すこととなったのだ。

なお、この第5部の途中、きいちろ♪が軽妙なトークを繰り広げるなか、急きょ会場のみんなで何か一曲合唱しようということになり、プログラムにない即興演奏ながら、定番ソング“あの素晴らしい愛をもう一度”で大いに盛り上がったことも、このイベントを象徴する出来事として書き添えておきたい。


こうして、きいちろ♪復活ライブは、笑顔爆発、大盛況のもと新境地への予感とともに幕を閉じた。

約三年間の幽閉から解き放たれ不死鳥のごとく蘇生したきいちろ♪のこれからに期待したい。



(ご報告)

ライブイベントにおける、きいちろ♪のCDの売上金は、1/2(1枚あたり1,000円)を日本赤十字社を通じて「平成28年熊本地震災害義援金」及び「東日本大震災義援金」に寄付し、1/2を当該制作経費及びイベント経費に充てさせていただくことにしています。

今回の売上金より、9月9日、「平成28年熊本地震災害義援金」及び「東日本大震災義援金」へ各1,500円、計3,000円を寄付いたしましたのでご報告いたします。

きいちろ〜空高く天高く〜

約半世紀生きている正体不明のシンガーソングライター、きいちろ♪ どこにでもいる熱い中年オヤジの等身大の魂歌。