夢を追う若者の著作権問題

ちょっと迷ったが、この際だから、やっぱり言うことにする。

僕が、一番問題だと思うのは、メジャーを目指す若者の夢を食い物にする、あくまでも合法で一見何の問題もなく思えるような、???なレーベルなどが堂々とはびこっていて、何の咎めもないような、そんな業界、それでいいの??ってことだ。

いいはずがない。

著作権って、アーティストにとって、魂そのものなんて情緒的な話だけでなく、文字通り、その世界で生きていくための魂、命、基本財産そのものだ。 

その著作権の扱いを、若者の無知をいいことに、理不尽にも、自らの思い通りにして、まったくはばからない、そんなやり方が許されてしまう。

要は、自分の音楽をなんとかして形にしたい、CDにして世に出したい、そんな若者の思いに付け込んで、著作権を丸々、所属事務所のものにしてしまう、そういう条件なら、作ってやる、というわけだ。そのうえ、制作費まで負担させるってのも、普通にある話だ。

それで、そのCDをたくさん売れば、メジャーデビューさせてやるよ、って感じで煽る。純粋な若者は必死で売る。

しかし、売れば売るほど、その利益は、まず所属事務所のもの、著作権相当分も含めてだ。そして、事務所が利益を先取りして、少々余分が出れば、アーティストに配分される、そんな構造だ。 

それの何が悪いの??と一般の方は思うかもしれない。 そこが大問題だ。

著作権が事務所のもの、ってことは、その権利料収入は、どこまで行っても、まずは事務所の所得になる。それをどうするかは、事務所の自由、合法的にだ。アーティストへの配分はゼロでも構わない。

要するに、メジャーデビューを餌に、働くだけ働かせ、絞り取るだけ搾り取って、いいように扱う、そんなことが簡単にできてしまう。

っていうか、その方が事務所にとっては利益になる。へたにメジャーデビューなどさせようものなら、当然その収入は、メジャー系レーベル等に移っていくから、なるべく抱え込んで、とはいえ、実績がないと餌にならないから、数年に一人とか、ごくたまに最低限だけメジャーデビューさせる。 

さらに、そうなると頑張ってメジャーデビューした本人は、従来の事務所にとっては、利益率の悪いお荷物になるから、体よくお払い箱にされる。頑張るだけ頑張って、トップを張って、事務所を儲けさせるだけ儲けさせて、そして、メジャーデビューしたと思ったら、独立という美しい言葉でポイ捨てされる。

そういう事務所は、所属アーティストの著作権を、JASRACなどの管理団体に一切、登録させていない。

それって、凄い話で、例えば、アーティストがその事務所を見限って辞めたとする。そうすると、事務所側は、その報復として、そのアーティストの著作権の使用を許可しない、ってことが合法的にできてしまう。自分の曲を自分が営業で使えない、そんなことが合法的にまかり通ってしまうのだ。

そんなことさえ気づかず、必死に純粋に頑張っている若者も多い。 そんな業界、本当にいいの?? 

いいはずがない!! 

S&Lが、JASRAC等への著作権登録を原則的な条件にしたのは、単にアーティストの実力を客観的に判断するというだけでなく、そういう理由も大きい。

まともなレーベルや事務所は、所属アーティストの著作権をちゃんとJASRAC等に登録させて、その保護を図っている。

そうでないところは、???である。


きいちろ〜空高く天高く〜

約半世紀生きている正体不明のシンガーソングライター、きいちろ♪ どこにでもいる熱い中年オヤジの等身大の魂歌。